
The Japanese Association for the Study of Popular Music
日時:3月29日(土)14:00〜18:00
場所:成城大学
会場:成城大学7号館715教室(1階)
小田急線成城学園前駅徒歩3分
* 快速急行は停車しませんので注意してください。
http://www.seijo.ac.jp/map/index.html
http://www.seijo.ac.jp/map/campus.html#8
第T部 卒業論文・修士論文発表会
第U部 修士論文構想発表会
1.卒業論文発表
ダニー・エルフマンの音楽観――オインゴ・ボインゴ時代の「死」の描写をめぐって
沖津 一洋 (東京藝術大学)
ダニー・エルフマンは現在の映画界の第一線で活躍している作曲家だが、1980年代から90年代半ばにかけて西海岸でカルト的な人気を誇ったバンド、オインゴ・ボインゴのヴォーカル兼バンドリーダーでもあった。本研究はエルフマンの「死」に対する考え方や、バンド音楽から映画音楽への移行という観点から考察するものである。前者における言説を見ながらそのモデルとしてオインゴ・ボインゴの最大のヒット曲《デッドマンズ・パーティー》を、後者のモデルとして同バンドの《インサニティー》を分析する。
2.修士論文発表
ジャニーズ系男性アイドルのファン・コミュニティにおける感情の共有化
福博充 (東京大学大学院)
本研究は、従来のファン研究において軽視されがちであったファンの感情や快楽について、現代日本におけるジャニーズ系男性アイドルのファンが、男性アイドルたちによって織りなされる「戯れ」のパフォーマンスに対して抱く感情や快楽を対象に、ファン・コミュニティにおける「感情の共有化」という観点から、ファンの快楽と、共有化が失敗した際に生じるファン同士の政治性について考察することを目的としている。
○修士論文構想発表
戦後日韓におけるポピュラー音楽のアメリカナイゼーション――米軍駐屯と米軍慰問舞台を中心に
南慈英(東京大学大学院)
第二次世界大戦終戦直後から1960年代後半にかけての日韓の音楽関係者による米軍への慰問は、各国の歴史的.社会的状況に基づいて行われていたが、戦後東アジアにおける冷戦とアメリカのヘゲモニーの構築というグローバルなプロセスのもとで相互に結びついていたといえよう。本研究では、戦後日韓におけるポピュラー音楽のアメリカナイゼーションの展開を米軍慰問舞台の影響を中心に比較検討し、両者の関係性から米軍の駐屯による文化変容の構造を明らかにしたい。
司会:溝尻真也(東京大学大学院,日本学術振興会特別研究員)
問い合わせ先:東谷護(研究活動担当理事) touya@seijo.ac.jp
日時:2008年3月29日(土)15:00〜17:00
会場:関西大学社会学部
第3学舎1号館205教室(阪急千里線関大前駅下車)
http://www.kansai-u.ac.jp/Guide-j/mapsenri.html
※会場と時間が慣例と違うのでご注意ください。
○研究報告
陳大瀛(九州大学大学院)
「J-POPが中国に与えた影響」
J-POPとは「Japanese Popular Music」の略で、1980年代末期に東京のFM局J-waveによって使用され、1990年代初期に小室哲哉などの活躍によって日本中に広められた述語である。広義に捉えるならば、J-POPとは60、70年代から発展してきたニューミュージックをはじめとする、あらゆる現代日本の大衆音楽のことである。ここ十数年来、日本の流行文化の一環としてのJ-POPは、アジア、特に中国圏に影響をあたえつつあり、何回かのブームを経て、すでに一種の文化現象となっている。
今までアジアにおける日本流行文化の影響について、岩淵功一、石井健一がいくつかの研究を重ねてきたが、残念ながら彼らの研究は日本の流行文化の表面的な考察の段階にとどまっている。J-POPについては、断片的なものがあるが、細やかで系統的な研究はされなかった。なお、呉偉明(シンガポール大学)はJ-POPの香港、台湾における発展について簡略に分析したが、今でも中国大陸部についての研究をした人はほとんどいないといえる。
周知のごとく、中国は一国両制度国家であるため、香港、台湾などの先進地域と大陸部との間には、文化発展と受容性の差が大きく、それぞれJ-POPの伝来にも10年以上の時間差がある。だとすれば、果たして、中国、とくに大陸部においてJ-POPの影響はいつ頃、どのように始まって、そして発展してきたのか。
本稿では、中国においてJ-POPの流行した時代背景を分析する。さらに中国大陸部にて一般大衆を対象とした実態調査を行う。その際J-POPが中国に与えてきた影響について考察し、その流行る原因を見出したい。その後に、「中国流行の中心地」と呼ばれる香港、台湾におけるJ-POPの発展史を辿りながら、その20数年にわたる深い影響を検討する。最後に中国大陸部での伝播を分析しながら、その現状を浮き彫りにしたいと思う。
司会:永井純一(関西大学)
問い合わせ先:東谷護(研究活動担当理事) touya@seijo.ac.jp
日時:2008年1月26日(土)14:30-17:30
会場:成城大学7号館715教室(1階)
小田急線成城学園前駅徒歩3分
* 快速急行は停車しませんので注意してください。
http://www.seijo.ac.jp/map/index.html
http://www.seijo.ac.jp/map/campus.html#8
プログラム
○博士論文発表
ネットワーク・ミュージッキング : 「参照の時代」の音楽文化
井手口 彰典 (鹿児島国際大学福祉社会学部 講師)
本発表では、発表者が2006年度に大阪大学に提出した博士論文について、その概要を報告する。この博士論文は、従来「所有」される対象であった「録音された音楽」が情報通信技術の発達に伴って次第に「参照」される
対象へと変貌しつつある、という発表者の見解に立脚し、そのシフトの様相を歴史的・文化的に調査・分析するものである。今日、我々は自らの属する文化の内部に、膨大な量の「録音された音楽」を有している。その楽曲全てを一人の人間が自らのアーカイブに収蔵することなど、到底できはしない。だから我々はこれまで、そのごく一部を苦労して取捨選択しつつ「モノ」として所有してきたのである。しかし現在も急激な勢いで普及を続ける高速情報通信ネットワークは、それらをわざわざ個人のハードディスクに保存する代わりに、必要になったとき必要になった場所で「参照」する、という新たな選択肢を我々に提供し始めている。今日の音楽文化を賑わせているWinny、音楽配信、デジタルオーディオプレイヤーなどはそうした音楽実践、すなわち「ネットワーク・ミュージッキング」の具体例として理解することが可能だろう。ネットワーク・ミュージッキングは、情報化社会のパラダイムに即した音楽実践として今後ますます発展していくものと考えられる。
○研究発表
流行歌の再創造と定着にかんする一考察
周東 美材 (東京大学大学院,日本学術振興会特別研究員)
録音技術によって20世紀初頭に成立した流行歌は、音の保存・複製と、はやり廃りを特徴とする歌謡であるといえる。流行歌は、いつでも再生し聞くことができるという特徴をもつにもかかわらず、流行とともにいつしか消えていくという特徴をもつのだ。 しかし、流行歌はある特定の場や時空間と結びつくことによって定着し、いわゆる「スタンダード」として記憶されることがある(たとえば山下達郎〈クリスマス・イブ〉(1983年)など)。「スタンダード」化の際に原曲の改作が伴われることも少なくないが、こうした流行歌の変容は、保存・複製や、はやり廃りという側面ばかりでは捉えきれない複雑さを示す。
本発表では、いくつかの具体的な事例を検討し、データを分析することで、こうした流行歌の定着や再創造の一端を歴史的に考察する。
司会:溝尻真也(東京大学大学院,日本学術振興会特別研究員)
問い合わせ先:東谷護(研究活動担当理事) touya@seijo.ac.jp